回収の時間と労力

利息制限法の法定利率での引き直し計算の結果、過払金が生じている場合、業者は返還すべき義務を負うことは最高裁判決で確定していますので、過払金を返還すべきことになりますが、業者は、計算した満額を返したくないことはもちろんのこと、返さなくてはいけないのであれば満額ではなくできるだけ少ない金額にしたいので、様々な理屈をつけてきます。
一連の取引ではなく、途中完済しているので取引がない期間が数年あり、別取引になる、とか、取引中に長期の返済遅延をしたので利息制限法の法定利率ではなく遅延損害金利率で計算すべきだ、などの主張です。
相手方業者が主張する計算方法で計算すると、過払金の額が減ってしまいます。
今回の裁判も、相手方業者からこれらの主張がなされ、提訴から5ヶ月も経過してしまいました。準備書面を作成する時間も結構かかりました。出廷しても相手方が出てこないし、裁判官も「判断に悩む。難しい。」と仰っていました。
相手方が出廷しないので、判決が出てもやむを得ない状態で準備書面を作成していましたが、最後の期日に相手方が出廷してきました。裁判官は「判断に悩む。難しい。」
裁判官ともあろう先生が難しいと言われている訳としては、本件のケースについて直接判断した明確な判例がなく、裁判官が全く独自の判断をくださなくてはならなくなることが考えられました。
大きな簡裁では、相手方と和解室で個別に話し合うことが通例だと経験しています。しかし今回は法廷で裁判官主導のもと和解しました。裁判官の熱心な和解案の提示には感激しました。相手方業者の担当者に、「今すぐ会社に決済を求めてください。ここで電話をかけても良いですよ。」という感じで何とかしっかり解決しようという熱意のこもった対応でした。
和解が整わないと、裁判官が判決を書くことになります。今回の案件の判断が難しかったので裁判官も判決を書くことを躊躇していたのでしょうか。
少ない過払金を回収するにも、半年近い時間と準備書面作成の労力がかかる時があります。ましてや、和解できても過払金の入金が数ヶ月後の来年です。過払金案件の一例ではありますが、これが裁判というものなのでしょう。事案も難しく係争金額も大きい弁護士案件であれば解決に数年はかかるということも納得いきます。その間、無報酬で仕事をすることもできないので、それなりの着手金が必要になることも納得がいきます。
回収に時間と労力がかかる場合があります。

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