紹介案件とコミュニケーション

隣接法律職の先生等から事件のご紹介をいただく時が多々あります。大変ありがたいことです。逆に私から隣接法律職の先生等に案件を紹介することもあります。
これら紹介案件では、相互の意思疎通が大変重要になってきます。たとえば、相続税の申告が必要で、後に不動産登記を申請する案件では、資格者同士の仕事上のコミュニケーションをしっかりやっておかないと、ちぐはぐな仕事の終わり方になってしまいます。ちぐはぐとは、自分の分野の仕事は終わっているものの、他分野の仕事が終わっていないという意味合いです。
税務の申告は終わったようで、税理士の先生に聞いたところ「手続きは終わった。」と言っている。しかし不動産の登記が終わっていないと思うのですが・・・。こんな指摘を受けたことがあります。
確かに不動産登記の申請は後から済ませれば問題ないので何らかの問題になるという訳でもないのですが、とかく専門家の手続きは面倒という印象がありますので、依頼者の方は、全部終わらせたいと考えているのが常のように感じます。
上記のようなことがないよう、資格者同士お互いコミュニケーションをとり、それぞれの仕事から相手の仕事への橋渡し等をきっちりすべきことが理想的で、これが出来れば良い仕事ができたと言えると思います。
なお、話は変わります。非常に希なケースではありますが、資格者同士ではなく、紹介された方と十分なコミュニケーションがとれない場合もありました。(隣接法律職の先生からの紹介案件ではありませんが)
紹介された方が、残念なことに、会ったはじめから依頼すること自体否定的な雰囲気を出しているケースでした。なぜそのようになってしまったかは分かりませんが、紹介の過程で、勝手に話が進んでいる印象を与えてしまったのかもしれません。はじめから仕事の進行自体難しいと感じられるそのような場合は、無理に仕事を進めることはできず、紹介してくださった人に現状を報告し、せっかくのご紹介であっても辞退させていただくことが妥当なのでしょう。
自分が誰かを紹介する立場のとき、自分もこれらのことに気をつけなくてはいけない、と戒めています。無理な引き合わせはトラブルのもとになるのでしょう。

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