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相続放棄1
ご自身の親御さん等が亡くなったらその人の資産を調べます。この時、土地建物や銀行預金、株券等のプラス財産に目が行きがちですが、忘れてはならないのが借金等のマイナス財産です。
民法では「相続人は被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する」となっています。義務(負債)も承継するのです。つまり、相続人は原則としてプラス財産とマイナス財産双方を承継するのです。
しかし、相続人自身何も借金していないのに被相続人の負債まで支払っていかなくてはならないというのは一般的な感覚としても明らかにおかしいです。
そのために民法では「相続放棄」(民法938条)という制度が設けてあります。家庭裁判所に書面で申述することで、放棄をした人がはじめから相続人とならなかったことにします。
例えば、プラス財産として1000万円相当の一戸建土地建物、マイナス財産として8000万円の負債があったとします。相続放棄をすれば、この8000万円の負債は支払わなくても良いことになります。
ただし、「はじめから相続人とならなかったものとみなされる」ため、一戸建土地建物の権利を取得することもできません。つまり相続放棄をするとプラス財産、マイナス財産等何も承継できなくなります。
明らかに負債が多い場合相続放棄の手続をとります。
2010年5月28日 17:27 | 個別ページ
悩ましい問題・・・塩漬け
最近、任意整理をするのに悩ましい問題が生じています。
大手消費者金融の一部の経営が苦しくなっている風潮にあります。これはご存じだと思います。
我々をはじめ一般の方からの過払金返還請求訴訟の数が高止まりで、収束する気配がなく、消費者金融が過払金を支払続けているからでしょう。
我々にとっては訴訟をして過払金を取り戻すのは、攻める側なので幾分楽に感じます。
しかし、過払金が生じる依頼者だけではなく、債務整理をして利息制限法の利率に引き直し計算をしても残債務が残ってしまう依頼者も当然いらっしゃいます。
仮に20万円の残債務が残ってしまった場合、この残債務は、いくら「司法書士が債務整理に着手した」といっても債務が消える訳ではありません。この債務は分割して支払っていくしかありません。これを消したいのであれば「自己破産」で消すしかありません。
しかし、この「分割して支払っていく」業者との交渉が厳しくなっております。今までは利息などを要求してきませんでしたので、こちらが提示した金額を分割で支払うことを認めてもらう交渉をしてきましたが、業者の経営も厳しいのでなるべく多い金額を回収しようとしているせいか、和解が整うまでの利息や、支払が終わるでまでの将来の利息まで要求してくるようになってしまいました。
業者の要求する、この利息も法律上の最高限を要求してくるため、バカになりません。
こうなると、過払金もなく返済原資もない依頼者の残債務は事実上整理できなくなります。再度業者にお願いしても「利息をつけないと和解できない。」と言われるだけです。たなざらし状態です。何も話が進みません。
この状態を我々は一般的に「塩漬け」と言ってます。何も出来ないので案件をそのままにしておくという意味です。悩ましい問題です。
2010年5月21日 12:48 | 個別ページ
相続登記をちゃんとやっておかないと・・・。
先日、東京司法書士会で登記相談員として相談を受けた時の話です。
土地の名義が相談者の祖父のままになっている。その土地の上に実父の名義の建物がある。実母がその建物に住んでいる。この度、実父が亡くなったところ、途端に実父の兄弟姉妹が実母の家に押し掛け「土地は祖父の名義なので、実母が住んでいるのはおかしい。」と言ってきて困っているという相談を受けました。
実父の兄弟同士で話し合いがつかなかったのかも知れませんが、実父が実父名義に相続登記をしておけば後々何らの問題もなかったと思われます。相続人同士で揉めているのであれば若干費用がかかるのは致し方ないにしても弁護士代理による調停手続等で解決だけは目指してもらいたかったというのが本音でした。
これから相続登記をするといっても祖父から3代という年月が経っているので、相続人が大量に認定されることが予想されます。相談者の方が登記名義を取得するには、遺産分割協議書に、その相続人全員の印鑑証明書付き署名押印をもらうことが必要ですが、実務上は極めて難しいと考えられます。こうなってしまうと何とも解決策を提示できない状況です。
このように、不動産の登記名義をそのままにしておくと、残された相続人の皆さん達が苦しむことになるケースがあります。
すでに相続人の間で揉めているのであれば簡単にいかないのですが、不動産の登記名義人の方が亡くなった際、可能で有れば相続登記は必ずきちんとやっておいてください。あのときやっておけばと後から気づいた時には今の状況が変わっていて相続登記ができなくなってしまった、では取り返しがつかない場合があります。
2010年5月18日 10:11 | 個別ページ
今は本当に厳しい時代になってます。
先日、過払金返還訴訟で訴えている業者から電話がありました。
「交渉の前に訴状が届いてしまっています。先生、訴訟の前に相談いただくことはできないんでしょうか?エヘヘ・・・苦笑い。」
ケースにもよりますが、最近は、債務者の取引において過払金が生じていたことが分かると、業者と交渉をする前に、即刻訴訟をする場合を多くしています。ただし、一部業者のうち、私の方針をよく理解してくださっている業者で、ある程度柔軟に返還に応じる業者については先に交渉の電話をします。
この業者については以前何度も訴訟をしていますので、何となく話のノリは分かっています。訴訟を出すと結構弱腰になる業者です。
私も「エヘヘ・・・。訴状が送達されましたか。そういうことなんです。」とか何とかすっとぼけました。
交渉の合間に「数年前と比べ、今は本当に厳しい時代になっているんですよ。ここは云万円くらいでお願いできませんでしょうか・・・。」
昨日ネットで、どこぞの消費者金融が不動産を売却したとか出ていましたし、業者それぞれが何らかの形で上手く資産運用をしていると思います。業者がどれほど厳しい経営状態なのかは分からないのが本当の所だと思います。
2010年5月14日 12:44 | 個別ページ
法定後見の就任後の仕事2
前回「法定後見の就任後の仕事1」では、金融機関をまわって事務的な手続をする仕事までを紹介しました。その続きを書きます。
事務手続が終わり、財産の把握ができたら、財産目録を作成して家庭裁判所に提出します。この財産目録の提出で「就任時にこれだけ財産があります。ここから管理をスタートします。」ということを家庭裁判所に報告することになります。財産目録は家庭裁判所が決めた期日までに提出する必要があります。我々のような職業後見人であれば提出日は厳守です。
これが終わると本格的な後見業務が始まります。まずは、本人及び病院(施設)関係者に会いにいくことになります。
そして今日、多摩地域の、とある山の上の病院に行き、はじめて被後見人本人と面会をさせていただきました。この病院は比較的精神科が有名な病院と思われます。
本人は照れ屋なのでしょうか、私が話しかけてもひたすら目をそらしていました。私が質問すると「はい」の場合は頷くだけで、「いいえ」の場合はかぶりをふるだけでした。しかし、帰る時に「また来るから待っててね!」と手を振ったところ、手を振り返してくれました。精神疾患のある人でも分かることははっきり分かるのには感心しました。
なお、今まで本人の財産を事実上管理していた親族の個人的な事情により、本人の医療費が相当額滞納になってしまっています。病院関係者と支払方法を協議しました。
仕事が終わり、病院を出ると、うぐいすがしきりに鳴いていました。きれいな声に聞き入りながら帰路につきました。
2010年5月11日 17:41 | 個別ページ
無縁社会2
自分が高齢になった時、周りに配偶者も子供も親族も誰もいなかったらどうしますか?非常に切実な問題です。私も独身なので、どうしたら良いかいつも考えています。
先日、孤立した高齢者と地域の方とのネットワークが構築されつつあるという内容をテレビで見ました。高齢者が毎日ちゃんと生活できている場合は玄関に人形を飾ることで「元気にやっています。」というメッセージを地域住民の方に発信するそうです。
1人暮らしになると高齢者はいつ死んでいてもおかしくありません。人と交流がないと、亡くなってもそのままになってしまいます。そういう孤独死状態を未然に防ぐ意味でも、地域社会における先述のようなネットワークが形成されることは非常に重要です。私が高齢者になる数十年後には、先述のネットワークができていることが当たり前になっていれば、孤独死のない社会になるのでしょう。
また、配偶者も子供もいない場合、財産を承継する相続人がいません。自分の死後その財産をどうするかも考えておかなくてはならないと思います。相続人がいない場合、基本的には財産は国庫に帰属します。
最近は、生前にNPO法人と契約し、生前に様々なサービスを提供してもらう代わりに、遺言で死後の財産をそのNPO法人に帰属させるような契約形態が生じてきているようです。そのようなNPO法人との契約形態の是非については私自身詳しくないのでコメントできませんが、利用者は増えているようです。NPO法人を利用するしないに関わらず、お世話になった特定の人に財産を承継させたいのであれば、遺言を書いておいたほうが良いと思います。
お墓をどうするかも考えておかなければなりません。相続人がいないとお墓を守ってくれる人がいません。お寺に数十万円の永代供養料を支払うことになるのでしょうか。死亡時に財産が残っていない場合は、無縁仏としてお骨を引き取ってもらう等が考えられます。
どちらにしても、自分の最期と死後をしっかりしておきたいのであれば、考えることは結構あります。
2010年5月10日 09:47 | 個別ページ
法定後見の就任後の仕事1
以前ブログで、家庭裁判所から法定後見人の就任打診が来た旨をお伝えしました。
就任を了承すると、裁判官の審判(あなたを後見人に選任しますという裁判官の判断)→審判確定後2週間以内に親族から異議が出ないかを確認する期間を設ける→審判確定→晴れて後見人になる、というプロセスで事が進んでいきます。
後見人になると様々な事務手続が必要になります。?東京法務局に後見登記事項を取りに行く?金融機関等に後見人就任の届出をする?年金機構の事務所に後見人就任の届出をする?被後見人が入所する病院や施設に挨拶に行き、本人や病院、施設関係者と面会をする?債権者がいる場合には返済計画を協議する・・・等々です。
今週私は、上記?から?までの手続をするため東京都内を駆け回っていました。
まず東京法務局で登記事項証明書を取りました。これは「被後見人に後見人が就任していることを証明する登記の証明書」を東京法務局で発行してもらう手続で、東京では八王子や多摩の登記所で取ることはできず、千代田区九段の東京法務局本庁でしか取ることができません。郵送で取ることもできますが、東京に行った際に取ってくるほうが便利です。
これを取得した後に、金融機関を回ります。この度の被後見人は三菱、三井住友、みずほ銀行に口座を持っていたので、それら銀行の支店に行って手続をします。
なぜ手続をしなくてはいけないかというと、被後見人の財産を把握することはもちろんですが、後見人就任の届出を済ませ、後見人以外の親族等に勝手に預金を引き出させないために手続をします。いわば預金をブロックして守るという手続です。
金融機関では手続に通常30分から1時間程度かかります。何枚もの書類に被後見人の住所氏名や後見人の住所氏名を書かせられ、後見人が押印します。これはけっこう大変な作業になります。
年金機構に後見の届出をしました。ここでも書類を書きました。
今週1週間は書類に署名しすぎて腕がいただるい感じです。
2010年4月23日 12:53 | 個別ページ
e内容証明(電子内容証明サービス)
先日、土地の明渡交渉をしているという方の相談を受けました。関係者と連絡が取れなくなったので内容証明郵便を出してくれということになり、内容証明郵便の作成依頼を受けました。その後数日間、その依頼者の方と文案を検討し、昨日概ね完成しました。
そして本日、午前中裁判所から帰ってきた後、早速e内容証明(電子内容証明サービス)の操作にかかったところ、「ひえ?!」ということになってしまいました。
このe内容証明(電子内容証明サービス)とは、従来紙で出していた内容証明郵便を、パソコン操作だけで出せるようになった画期的なサービスです。ワードで文書を作成送信すれば郵便局の窓口に行かずに内容証明を郵送できます。
手順としては、内容証明で郵送する文案をe内容証明の送信ファイルにダウンロードし、インターネットに接続します。送る前に必ず「プレビュー」で送信する文面を確認できますが、いつもできるはずの、この確認作業が今日はできません。何度やっても出来ないので困りました。「このまま確認もせずに出して、白紙だったらチョー恥ずかしいし、今日出してくれと依頼されているのに出せなかったらどうしよう。」
e内容証明郵便の操作に迷ったときでも郵便局等に「電話で聞く」ことはできないそうです。これは余りにも利用者に対しての配慮がなさすぎです。独りで怒っていました。メールでの質問のみ受け付けてくれているそうなのでメールで質問しました。急いでいる時にメールでしか対応してもらえないというのは精神的に非常に辛かったです。
今回は、プレビューができなくても送信に影響がないことを確認してもらい、何とか無事に出すことができましたが、本日速達で出しても4000通待ちだそうで、処理に時間がかかるそうです。
今までも、疎遠だった相続人に連絡を取ったり、土地の明渡交渉の前段階で連絡を取るなど、e内容証明郵便を活用してきましたが、e内容証明を利用する数日前に操作をもっとよく確認しておけばよかったと反省しています。
2010年4月16日 16:23 | 個別ページ
非弁活動
昨日と本日の新聞紙上で「大阪の債務整理専門の司法書士法人が、司法書士資格のない職員に債務整理をさせた非弁活動の疑いで、大阪弁護士会から告発を受けている。」というニュースが出まわっています。これについて考えてみたいと思います。
弁護士及び、法務省から認定された簡易裁判所等訴訟代理権のある司法書士でない限り、他人の訴訟事件、和解等の法律事務を取り扱うことはできません(弁護士法72条)。これに違反すると、弁護士等でない無資格者が法律事務を行った → 一般的な言葉として「非弁活動」をしたことに該当し、2年以下の懲役又は300万円以下の罰金になってしまいます。(弁護士法77条)
派手なテレビCMをガンガン流し、債務整理の案件を大量に受託する弁護士法人や司法書士法人が多くなってきています。皆さんも、夜テレビを見ていて「弁護士事務所」のテレビCMをご覧になられた方も多いと思います。
あのような法人事務所は、1ヶ月に何百件?もの案件を受託し、ベルトコンベアーのように案件を処理していきます。案件が非常に多いので、弁護士や司法書士が多数在籍しても、すべて資格者で処理できるはずもありません。そのため、どうしても無資格の事務員に任せることになりがちなことが予想されます。
今回の告発の詳細な内容はわかりませんが、事務所の現状として、和解の最低ライン等だけ先生から指示をもらい、和解の電話を先生に代わって無資格の事務員が担当しているということもやっていたのでしょうか。特に、債務整理の経験が長い事務員には、資格もないのに依頼者を指定して丸ごと任せていたことが考えられます。今回告発された事務所の執務状況が社会的に許容される範囲を超えていたため、弁護士会も調査に乗り出し非弁活動として告発されたのでしょう。
本来、消費者金融等の業者と交渉し、業者を訴え、過払金の返還交渉を行い、依頼者と面談や打ち合わせをする業務は、弁護士や司法書士自身が全部責任を持ってやらなくてはならないものです。通常の事務所では、依頼者との面談相談、受任通知(取立を止める通知)の作成、発送、業者との交渉、過払金の請求、残債務の返還交渉、訴訟活動等々・・・交渉以外の事務手続もすべて司法書士の指揮のもと責任を持ってやっていると思います。
また、通常の事務所は、派手な広告のもと大量受託しているわけではありませんし、ビジネスとして儲かればいいという執務姿勢ではなく、どうしたら依頼者の生活再建や更正をはかることができるかを考えていることと思います。
債務整理を単純にビジネスの道具として捉えるほんの一部の流れが、今回の告発という結果をもたらしたのでしょう。同じ司法書士として残念でなりません。
2010年4月 9日 15:57 | 個別ページ
本人確認情報
不動産を購入したり相続したのであれば、誰しも一度は「不動産の権利証」を持っている筈です。この「権利書」を紛失してしまった場合、不動産を売却できなくなるのでしょうか?
そんなことはありません。1つの方法として、「本人確認情報」という書類を司法書士が作成のうえ登記申請書と一緒に法務局に提出すれば不動産の権利移転の登記をすることができます。
ただし「本人確認情報」に記載する事項はやや多く手間がかかります。登記名義を失う「売主」の本人確認をしっかり行うため「面談した日」「面談の際に聴取した内容」「運転免許証の番号」等を調査記載します。手間がかかること等もあり若干費用がかかってしまうのが難点です。
不動産を取得した時は「権利証」を大切に保管しましょう。もっとも、今は「権利証」ではなく「登記識別情報」というパスワードに切り替わっています。
2010年4月 5日 18:01 | 個別ページ
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