小林司法書士事務所 | 八王子市:八王子市にある司法書士事務所です。多重債務問題をはじめ、登記業務、成年後見業務など幅広く対応いたしております。

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執務姿勢を考える

しばらくの間ブログを書いていませんでした。職務上、あまり詳しいことを書くと守秘義務違反になりますので控えていたこともありました。また、手のかかる仕事をしていたこともありブログで公表する内容ではなかったためでもありました。

昨今、私は、我々のあるべき執務姿勢を黙考していることが多くなりました。その題材になる案件として過去に以下のような不動産登記の決済の仕事がありました。

?不動産業者からの紹介で不動産の買主に所有権移転の登記をする決済の依頼を受けました。買主の買受意思や登記意思を確認するため丁寧に買主にアポイントをとり買主を訪問したところ、何となく私を歓迎していない空気を感じ取りました。色々会話をしていくと、細かいことに文句を言っているような発言が目立つようになってきました。「登記をするのに市役所に住民票を取得しに行くのが面倒で行きたくない。」とか「登録免許税を払わない方法はないのか。」等々。
挙げ句の果てに当事務所で出した登記費用の見積もりを他の同業に見せて「高い」だの「なぜこの費用を取るのか。」とか様々なケチをつけてきました。買主から紹介先の不動産業者にも連絡が来たようで、それを聞いた不動産業者は「見積もりが高いみたいなので下げてやってくれ。」私に対してこの一言だけの説明でした。
我々の報酬も自由化されていますし、高いと言われても2万円程度でした。なぜこんなに文句を言われた挙げ句に金額も下げなくてはいけないのか、と非常に不愉快な思いをしました。

?同じく決済の仕事でした。同様に紹介を受けた買主に見積もりを出しました。その時は何も言ってこなかったのですが、数ヶ月後に再び見積依頼がありましたが、前回の契約内容と異なるので若干費用が高くなってしまいました。
すると、買主から直ぐに電話がかかってきました。「前回の見積もりと違う。前回の金額でやってくれ。金額が変わったのはおたくのせいなんだから。」
私の胸の内「お言葉ですが契約内容が変わったのは私のせいではありません。業者に頼んで土地を分筆したのはおたくと業者等がやったことじゃないですか?」

なぜこんなことになってしまったのか、今でもよく考えます。

その答えは、多分、(紹介者は悪気はないものの)司法書士を無理矢理紹介されてしまった、自分の意向も確認せずに話が勝手に進んでいる、と買主は考えていたのでしょう。「いつもお願いしている司法書士がいるのに・・・。依頼する司法書士は自分で探したいのに・・・。なぜ司法書士が出てくるの?」依頼者はこう考えているのに無理矢理あてがわれてしまった・・・。
さらに、紹介者から司法書士を紹介する必要性につき十分な説明がないまま、いきなり司法書士が出てきて「今回は仕事をさせていただきます。よろしくお願いいたします。」ということになってしまった・・・。
つまるところ依頼したくないのです。

残念ですが、こうなってしまうと歓迎されていないのは当然ですし、仕事をしていてもあちこちに文句を付けられるようになるのでしょう。「気に入らない。色々ケチをつけたい。難癖をつけて困らせてやれ。」しまいには「おたくに協力なんかしたくない。おたくの仕事は成立させない。」こんな具合でしょう。

何でも無理はいけないと思います。無理な執務姿勢は以上のような「ケチ」がつく原因になると思います。ただし、自分が無理をしていなくても、このように紹介されただけで被害を被る時があります。これは防ぎようもなく非常に悔しいです。次回、そのようなことがないようにするには、紹介くださった業者の執務姿勢をよく確認、検討し、今後のつきあいを考えていくべきだと思います。依頼者との無用なトラブルを抱え仕事はしたくないですから。

簡易裁判所での過払金返還請求訴訟

クレジット、サラ金業者のグレーゾーン金利による過払金返還請求についてはすでに広く周知されています。

払いすぎた利息を元本に充当し、充当した結果元本以上の金銭を支払った場合、その払いすぎた金は過払金として返還請求が認められるというのが過払金です。

最近は、計算の結果過払金が生じる場合にその存在を事前に業者に通知せず、いきなり簡易裁判所に訴訟を出す手法が大勢を占めてきたようです。「事前に交渉もないままにたくさんの訴訟が打たれている。」と業者の担当者が言っています。

ある業者は「訴訟を出す前に相談してください。」と言いますが、どの事務所もすぐ訴訟をしているようです。業者が倒れかかっているので過払金のぶんどり合戦になっているのでしょう。早くしないと武富士みたいになってしまうということも考えなくてはいけないかもしれません。

ご自身が原告となり業者を被告として司法書士や弁護士を付けず訴訟をすることは現行法からも可能です。しかし、あまりゆっくり準備されていると過払金の返還条件が悪くなってしまいます。「自分でやるのはちょっと面倒。だけど少しでも過払金の返還を受けたい。」と回収を躊躇されている方はなるべく早くご相談ください。司法書士は金140万円以内でしたら簡易裁判所での訴訟代理権があります。依頼すればすべて任せられます。
 

任意整理 有終の美たる有終の涙

任意整理において、ある業者の負債がなくなり過払金が回収できた時は、その過払金で他社の負債を返済すると借金が全部なくなる時があります。借金チャラです。まさに起死回生の一発です。

先日めでたく任意整理が終わった方の最終面談をしました。いつも私は「うちの事務所を卒業できましたね。信頼関係が築けただけに少し寂しいけど、これで債務の整理は完全に終わりましたね。これからはお体に気をつけてしっかりと生活されてください。」なる旨の言葉を依頼者の方に伝えます。

依頼者の皆さんは口を揃えて言います。「今までは日常生活では片時も債務の返済のことが頭から離れなかった。本当にありがとうございました。」

これは甚大な精神的苦痛だったでしょう。

私の事務所の依頼者の方で、過去に、仕事が終わる最終面談で涙された方がいらっしゃいます。今回も有終の美たる有終の涙を見ました。私としての仕事を評価くださったこととして非常に光栄ですが、何分男は特に女性の涙に弱いものです。

とっても困ってしまいます。
 

職員(従業員)根性

成年後見人は、被後見人が入所する施設を定期的に訪問します。私も定期的に訪問していますが、施設訪問の際にしばしば感じていることがあります。

特別養護老人ホームにしろ老人保健施設にしろ、訪問の都度今まで見たこともない職員やボランティアの方がいます。それらの方に私からちょっと被後見人の様子を伺う時があります。すると決まって返ってくる回答があります。

「私はボランティアだから分かりません・・・。」「私は先週入ったばかりなので分かりません・・・。」毎回同じような回答が返ってきます。

私はその施設に大切な被後見人を預けています。その被後見人の車椅子を押している人に「最近の様子はいかがですか?」と聞いても、概ねこれらの回答です。車椅子を押している近くの職員に聞いても詳細がよく分からないような返答が返ってきます。これでは困ると思うのですが。もう少し職員として上手い「返し方」がないのか?と思います。
特に親族を預けている方だったら「俺の親だぞ!もっとちゃんと仕事しろよ!ただ車椅子を押していれば良いってもんじゃないぞ!分かってんのか?」とでも言いたいと思います。(仮に私の親を預けているのであれば私はこう言っているかもしれません。)

老人の介助は非建設的な作業です。対価を求めない思いやりの気持ちや奉仕の気持ちがないと勤まらないと思います。今、就職がないからといって単に「とりあえず介護施設で働いてみよう」とか「勤務時間が無事に済めば給料がもらえる」という気持ちで施設の職員になってもらっては困ります。
また、ボランティアだから入所者の車椅子を押していれば仕事をしたことになるという考えもおかしいと思います。おおよそ施設にいて働いているのであれば、入所者本人の近況を聞かれたらある程度のことを回答できないとほとんど意味ないです。いるだけだったらガキの使いですよ。

こんな感じなのでしょうがなくいつも施設の上層部の方と話をすると、だいたいの事を教えてくださいますので納得できます。

どこの社会でもこれらの状況が見られると思います。職員は「自分はこの仕事(車椅子を押す仕事)の担当だから聞かれても他は分からない。」「自分は入ったばかりだから分からない。」「自分はボランティアだから分からない。」「自分はその人の担当じゃないから分からない。」責任逃れの言葉ばかりです。
確かに一職員では責任が取れないことはあります。給料も安く昇級の見込みがないから自分の担当している仕事以外のことは手間がかかるだけでやりたくないし、やると損をする。」こういう考えが行動に出ているんだと思います。

一方で上層部の人は「これでは入所者親族の方たちからクレームが来るのは当然だ。もっと対応の仕方が上手くできないものか?もっと気が利かないものか?」と考えていることでしょう。(実際に入所者の親族の方からこの類のクレームを受けているという話を聞いていますがこの有様では仕方ないでしょう。)

職員や従業員の皆さん、私も従業員の経験がありますので「自分は分からない。」という責任逃れの気持ちは分かります。しかし自分の仕事以外の仕事でも毎日その職場にいるのだからだいたいの事くらいは覚えること自体も仕事です。自分は職員(従業員)だから分からない・・・、という対応だったら、どこへ行っても通用しません。こういう職員(従業員)根性のままで仕事を続けると自分の仕事力は伸びず、最終的に困るのはご自身です。心して仕事に打ち込むことを心掛けたいものです。
 

売買の決済日(立会)

不動産仲介業者さんは不動産の売却の仲介をします。「不動産を売りたい」時は仲介業者さんにお願いします。

買主が決まると、買主から売主に手付金の交付を済ませます。これが済むと売買契約は簡単には破棄できなくなります。そして最後に残代金の決済日を設け最終手続をします。これを我々は俗に「決済」とか「立会」とか言ってます。この決済日に我々司法書士が立会い、その場で登記申請に必要な書類、例えば売主の印鑑証明書などを受領します。

昨日もそうでしたが、通常は仲介業者の方に「登記に必要な書類が全て揃ったら、先生が合図をお願いいたします。そうしましたら残代金の決済をします。」と言われます。

残代金といっても10万円や20万円の小金ではなく、何百万円、何千万円の金額が動きます。たとえ業者さんと一緒に手続を進めてきたといえども、その際には私の合図が求められますので責任重大です。正直やはり少し緊張します。

そういえば・・・今からおおよそ6年前のことでした。昨日のことのように思い出します。

あれは私が司法書士に成り立ての開業2週間目でした。知りあったばかりの業者様のご配慮で、簡単な売買の決済をさせていただいた事がありました。
実務経験が全くなく、司法書士事務所に就職を希望したものの全く縁がなかった私は、試験合格後1年も経たずに即開業せざるをえない状況にありました。今はやりの言葉でいえば、いわゆる「即独」司法書士でした。

その最初の決済の時は非常に緊張しました。書類の最終チェックは完璧に終わっているものの「決済日に何かあったらどうしよう」という具合で、恥ずかしい話、決済日前日はほとんど眠れないような状況でした。

決済をさせていただく度に、あの時の緊張感がよみがえってきます。本当に良い経験をさせていただきました。

当時ご配慮くださった業者様には今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
 

家庭裁判所の参与員

家庭裁判所から就任の依頼があった後見案件や後見監督案件については、概ね1年に1度、「家庭裁判所に財産目録や収支状況報告書を提出し、財産状況を報告せよ」というお達しが来ます。家裁の書記官等はこれを「立件」というようで、しばしば会話に「立件する」「立件しない」という言葉が出てきます。

私の担当する案件についても本年度も家裁に財産目録等の報告をしております。財産目録には昨年と比較した本年度の預金口座の残額等の財産額を記載します。そして収支状況報告書では、「入院費」「社会保険料」などそれぞれの個別の項目にいくら使ったかを記載します。収支状況報告書の収支の差額は、財産目録で記載された1年間の収支の差額と同額になります。この数値に誤差があると家庭裁判所は必ずつっこみを入れてきます。

この財産目録や収支状況報告書を提出すると、まずはじめに裁判所書記官が受付した後、参与員という臨時職員なる方が財産目録と収支状況報告書の数値をチェックするようです。財産目録や収支状況報告書の数値が合わなかったり、領収書と引落金額に齟齬があると参与員から直接電話がかかってきます。

先日、私の後見監督案件でも「入院費が二重に引き落とされている」という指摘を受け、後見人に確認したところ、誤って引き落としてしまったことが分かりました。
参与員は、被後見人の財産を何の用途に使ったかについてはほとんど突っ込みはしないようですが、領収書と引落金額との整合性はよく見ているようです。

どちらにしてもしっかり財産を管理することが求められます。
 

監査役と取締役等との兼任禁止

先日、株式会社の監査役の変更登記を受託しました。より具体的に変更登記とは、旧監査役Aの辞任(任期中に辞める)登記と、新しく就任するBの就任登記のことです。

監査役は、その株式会社の取締役、支配人、使用人などとの兼任が禁止されております。これは、自分が業務を行ったり働いている会社をその人自身が監査役として監査することは職務上公正になしえないという趣旨からの規定です。(会社法335条2項)

同族で運営する会社では、1人が取締役と監査役に就任すれば外部から監査役を就任させる必要がないから等、便宜上の理由等で、取締役と監査役を兼任させれば都合が良いと考える場合もあるかもしれませんが、それはできません。

ちなみに司法書士試験でも、上記の「監査役と取締役等との兼任禁止」が記述式問題で良く問われます。普通に株主総会議事録でその会社の取締役Aを監査役として選任決議をしているような問題設定になっている場合は、監査役の就任の登記はできないという結論を出すことになります。

試験では「これは登記できません!」で済みますが、実務では依頼会社の関係者と事前にしっかり協議、確認してから作業を進めることになります。
 

「小規模個人再生」

昨日、東京司法書士会で「個人再生」に関する研修がありました。主に個人再生の申立方法についての研修でした。

債務を整理するためのメニューとしては、ご存じの通り、任意整理、自己破産があります。任意整理は債務を分割して返済していく解決方法です。自己破産は裁判所に申し立てて負債をすべて免除してもらう解決方法です。
これ以外に、個人再生というメニューがあります。これは、債務の一部をカットし、残りの債務を分割して支払っていく解決方法です。

私の事務所の債務整理案件では、個人再生を選択したことはあまりありませんでした。というのも、任意整理つまり分割返済で解決できないのであれば、通常、残債務を支払っていける程の余裕のある人があまりいないのが現状だったからです。負債を一部カットしても負債が残る解決方法よりも、自己破産ということで負債を全部なくすということが本人にとって真の意味での生活改善につながると考えるからです。一部をカットしても本人が将来支払える保証はありません。本人が病気をするかもしれません。失業してしまうかもしれません。

そんな理由で、任意整理が出来ない時は、積極的に自己破産を選択してきました。

しかし、「どうしても自己破産はしたくない」という事情のある人もいます。そのような時に要件をよく検討した上「個人再生」の選択を考えます。

メリットとしては、大幅に元本をカットできることにあります。特に負債が大きい方はカット幅も大きくなるといえます。
デメリットとしては、申立から分割返済をはじめるまでに半年程度の長期間の時間を要することや、分割弁済期間が原則3年であることから、すべて解決するまで非常に時間がかかることがあげられます。

受託後、支払を開始するまで1年以上かかってしまうケースも多く、利益追求ではなく依頼者の生活再建にじっくり向き合わなくてはならないので、我々司法書士としても仕事の手離れが遅くなることは否めない事実です。
 

「遺産分割による贈与」の登記

子のないAさんが死亡しました。Aさんには配偶者のBさんと、Aさんの実母Cさんがいました。相続人はBさんとCさんになります。

BさんはAさんとの思い出をたくさん遺しておきたいと考えていましたので、Aさんの遺した財産すべてを1人で相続したいと考えていました。しかしBさんが1人で財産を承継するとCさんの相続分がなくなってしまいます。ここで実母Cさんが相続による権利を全部放棄することも可能ですが、それでは余りにもCに不公平になる場合があります。案件の置かれた状況などにもよりますが、今回は諸般の事情によりCさんにも何らかの財産を相続させることになりましたが、Aさんの相続財産は、現在Bさんも居住している不動産しかなく、Aさんはまとまったお金も遺していなかったので、実母に何の財産をどうやって与えようかと悩みました。

そこで考えました。

Bさんは、Cさんの息子Dさん(DはAの弟)と、それぞれ2分の1づつ、ある別の土地を共同所有していました。この土地の持分2分の1をBさんがCさんに譲渡することにしました。こうすることで後々Cさんが死亡した後、Dさんがその土地持分をCさんから相続すればDさんが単独所有者になり土地を1人で利用することができるようになります。

つまり「BさんがAさんの財産を全て相続する遺産分割協議をする代わりに、Bさんが現在持っている別の土地持分2分の1をCさんに譲渡して遺産分割協議を完成させる」という遺産分割協議を成立させました。このような協議で不動産を譲渡する行為は「遺産分割による贈与」というもので、法務局に登記を申請する際、登記原因という項目に「遺産分割による贈与」と書いて出します。

それにしても、こんな登記、司法書士試験の受験勉強でやっただけでした。今まで実務をやっていて出したこともありませんでした。今回は何か手がないかとやってみました。何とか登記を申請し完了できました。

ちょっと変わった登記申請でした。ちなみに電子申請で出しました。
 

定期面談

私の事務所で債務整理を受託すると、事務所の方針として概ね1ヶ月に1度、依頼者の方に事務所にご来所いただいた上で面談をさせていただきます。面談の際、依頼者の個別の進捗状況を説明するのはもちろんのこと、今後の生活を含めた全般的な話し合いを行っています。これは私が問いつめるような厳しい面談ではありません。本当の意味での話し合いの場を設けています。例えば、毎月の支出が多いのであればどうしたら良いかを一緒に考えたり、支出の部分でカットすべきものを考えたりすることもあります。

依頼者の方の一般的な傾向としては、収入以上の支出をしているということが言えます。いくらカードを使って買えるといっても、それをカバーする程度の収入の見込みがなければ、任意整理や自己破産、個人再生が待っています。

収入増を見込めないのであれば支出を考え直さなければいけません。案件によってですが、少しでも意識を変える気持ちを持ってもらいたいと思っています。あたりまえのことかもしれませんが、1人で実践するには難しいと思います。
 

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