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強制執行

強制執行とは、債権者の私法上の請求権を実現するための民事執行法上の手続きです。債権者が債務者に民事訴訟を提訴し、金100万円の勝訴判決を得た例で説明します。
 
債権者が勝訴判決を得たとしても、債務者が金100万円を任意に履行しない(支払わない)場合、勝訴判決は「絵に描いた餅」になってしまいます。そこで債権者に現実に金100万円を得させる手続きが「強制執行」と言われる民事執行法上の手続きです。
 
具体的な手続きとしては、裁判所という国家権力により債務者の財産を差押え、換価し、債権者に配当します。差し押さえの対象となる財産は、不動産、動産、債権と多岐に渡ります。一般的には、債務者が勤務する会社の給料を差し押さえしてしまい、そこから債権回収をするケースが多いと思われます。(これを債権執行といいます。)

なお、強制執行には「給料債権は、その4分の3を超えて差し押さえてはならない。(民事執行法152条)」「家財道具など生活に必要な動産は差し押さえてはならない。(民事執行法131条)」等の制限があります。

2009年1月11日 20:59 |

悪徳業者

悪徳業者とは,多重債務者に甘い言葉をかけ,多重債務者の窮状につけ込み,食い物にする業者です。
多重債務者は,何とか債務を減らしたいとの一心で業者に債務整理等をお願いしてしまいます。しかし業者は何もしないどころか,多重債務者を詐欺にかけ巨額の金銭を騙し取ります。
 
悪徳業者は,具体的には「紹介屋」「整理屋」「買取屋」と呼ばれる業者に分類されます。
 
「紹介屋」とは、他店で審査の通らなかった方でも融資可能、という広告を出しておいて、実際には融資しないで、審査の甘い別の消費者金融を紹介することで、高い紹介料を払わす類の業者のことです。紹介料を騙し取られてしまいます。
 
「整理屋」とは、多重債務者に対して、借金の整理をします、と持ちかけて高い手数料を取る業者のことです。債務整理を受託したものの,実際は何もしない場合が多く,債務整理したとしても,いい加減な債務整理しかしません。結果的に手数料だけ騙し取られてしまいます。
 
「買取屋」とは、クレジットカードで家電製品や回数券など換金しやすい商品を購入させ、その商品を定価の半分以下で買い取る類の業者のことです。
債務者は、返済金が一時的には確保できますが、結局はクレジットの支払いが増え続けていきます。何の解決にもなりません。
 

2008年12月21日 07:53 |

個人版民事再生法

債務整理の方法の一つに「民事再生」があります。裁判所に民事再生の申立を行い,債務を5分の1から10分の1にカットしてもらい,残債務を原則として3年間で分割弁済する債務整理方法です。いわば借金の一部カットという整理手法です。(cf.破産は借金全部カット)
 
返済が前提となりますので「収入を得る見込み」がないと制度利用が難しいのが現状です。
 
民事再生のメリットとデメリットを記載します。
 
------メリット------
・債務総額を大幅に圧縮できます。
・住宅ローン条項の利用により,住宅を手放さず債務整理ができます。
・財産を処分する必要がありません。
・破産申立の際の免責不許可事由がないので,ギャンブル,浪費者も手続きを利用できます。
・破産を申し立てた際には,特定の職業に就けなくなる「資格制限」がありますが,民事再生手続ではそれがないので,仕事を続けることができます。
・再生手続申立により,債権者は強制執行ができなくなります。
 
------デメリット------
・手続きが複雑で申立から再生計画の認可決定を得るまである程度の時間を要します。
・国の機関誌「官報」に氏名・住所が掲載されます。
・破産手続と異なり,債務はなくなりません。返済計画に従い分割弁済を続ける必要があります。数年間返済の負担が続きます。
・信用情報機関のリストに事故情報として登録されてしまいます。(ブラックリストに載る。)そのため5年から7年間は新たな借入や新たなクレジットカードをつくれなくなります。

2008年12月 8日 18:13 |

特定調停

債務整理の方法の一つに「特定調停」があります。
これは,債権者と債務者が,調停委員を介し裁判所での話し合いのもとに債務を整理する方法です。(裁判所を利用した公的任意整理です。)
 
裁判所では,債務者の債務を利息制限法による引き直し計算をして,過払利息を元本に充当します。そして残った元本を原則として3年以内の分割払いにし,将来の支払分には利息をつけない,という方法で債務を整理します。調停が成立すると「調停調書」が作成されます。
 
特定調停を行う上でのメリットとデメリットを挙げます。
 
------メリット------
・債務者自ら手続きを行うのであれば費用が安く済みます。
・特定調停の申立により債権者からの請求や取立が制限されます。
・利息制限法による引き直し計算をするので元本が減る可能性があります。(これは任意整理も同じ)
・調停成立後の将来の支払分には利息がつきません。
・破産手続と異なり,不動産や自動車などの私財を処分する必要がありません。
 
------デメリット------
・債権者の協力が得られないと特定調停が成立しません。(つまり債務整理できないこととなります。)
・特定調停を利用すると,事故情報に記載され(ブラックリストに載る)その後5年から7年間は銀行や消費者金融から新たな借入ができなくなります。新たなクレジットカードも作れなくなります。
・特定調停が成立すると「調停調書」が作成されます。これは債務名義となってしまうので,支払が滞れば債務者は債権者から直ちに強制執行を受けるおそれがあります。(債務者の給料債権や不動産を差し押さえられてしまうおそれがあります。)←最大のデメリットと思われます。
・裁判所の手続内で過払金を取り戻してもらえるわけではありません。
・裁判所の調停委員の当たり外れが原因で調停手続や内容が業者(債権者)ペースになってしまう場合があると言われています。

2008年12月 7日 18:27 |

ブラックリスト

消費者金融業者やクレジット会社を利用すると、氏名、住所などの取引内容が「信用情報機関」という業界団体の名簿(リスト)に登録されます。業界団体は代表的なものとして以下の4つがあげられます。

1.全国銀行個人情報センター(全銀協:主に銀行等が加盟)
2.全国信用情報センター連合会(全情連:主に消費者金融が加盟)
3.株式会社シー・アイ・シー(主にクレジット会社)
4.株式会社シーシービー
 
消費者金融業者等が顧客の与信判断(金を貸しても問題ないか)をする際に、その会社が所属する上記いずれかの業界団体に問い合わせ等をします。
 
名簿(リスト)に載っている顧客が「支払を延滞した」とか「司法書士や弁護士が債務整理に着手した」などという情報は、事故情報として登録されてしまいます。一般に、事故情報として登録されることを「ブラックリストに載る」といいます。(「ブラックリスト」という事故情報を集めたリストがあるわけではありません。)
事故情報として登録されると、登録後5年?7年間は新規の借入を受けることや新規のクレジットカードを作るのが難しくなると言われています。
 

2008年12月 4日 18:23 |

利息制限法

金銭を目的とする消費貸借上の利息は,利息制限法により次の通り定められています。(利息制限法第1条)
 
  元本が10万円未満の場合               年 2割    (年20%)
  元本が10万円以上100万円未満の場合      年 1割8分  (年18%)
  元本が100万円以上の場合              年 1割5分  (年15%)

この利息を超えて支払った超過部分は,無効となります。(同法1条)
 

2008年12月 2日 18:21 |

保証人と連帯保証人

保証人とは、主たる債務者(本来の債務者)がお金の支払が出来ない時、主たる債務者(本来の債務者)に代わってお金を支払う約束をした人です。この約束は債権者としなければなりません。

1.保証人は「主たる債務者(本来の債務者)が支払うことが出来ない場合」に支払う義務が生じるだけです。

2.保証人がたくさんいればいるだけ保証人一人あたりの負担額が少なくなります。(分別の利益)

3.債権者が保証人にいきなり請求してきた場合でも、保証人は「まずは主たる債務者(本来の債務者)に取立してくれ!」(←催告の抗弁権)とか「主たる債務者(本来の債務者)は財産が豊富で、強制執行したらすぐに回収できるぞ!」(←検索の抗弁権)という逃げをうつことで一旦は自分の責任を回避することができます。

これに対し、連帯保証人は、上記の言い訳は一切できないうえ(催告、検索の抗弁権なし)、債権者からいきなり全額を請求されても文句を言うことはできません。(分別の利益なし)

いわば「連帯保証人」は「保証人」よりも重く苦しい責任を負うこととなります。

どちらにしても、「保証人」や「連帯保証人」になる以上、人の債務を自分が全額負担する覚悟でないと自分の人生が狂う場合があります。
「保証人」や「連帯保証人」を頼まれた場合は、安易に引き受けず、慎重に検討し、断るべき時は断ってください。

2008年11月30日 09:51 |

過払金

消費者金融等業者に支払う約定利息(契約で約束した利息)と、利息制限法で定めた制限利息との差額は支払う必要のない利息とされています。
 
この払いすぎた利息部分を元本に充当し、元本が完済されてもなお払いすぎていた部分がある場合、その払いすぎた部分は業者が根拠もなく不当な利得を得ていたことになりますので、業者に返還請求ができます(判例)。この返還請求できる部分の金額を「過払金」といいます。
 
通常、過払金は、消費者金融、信販会社(クレジットカード会社)に、高利の約定利息のもと7年程度反復継続して取引をしている場合に生じます。1、2年程度の取引の場合は、過払金は生じにくいのが現状です。
 

2008年11月25日 11:27 |

簡易裁判所

日常の少額軽微な民事事件と軽微な刑事事件を取り扱う裁判所のことです。
 
民事事件では、訴額(争いとなっている価額)140万円以下の訴訟等を取り扱い、刑事事件では罰金以下の案件を取り扱います。裁判は簡易裁判所判事1人で行います。全国に438箇所あります。略称は「簡裁」(カンサイ)です。
 
「簡易」かつ「迅速」に紛争を解決するため、簡易裁判所の民事訴訟手続には民事訴訟法上の手続きの特則が多数用意されています。
 
訴えは口頭で提起することができる(民事訴訟法271条:実際の運用では大方訴状を作成・提出している)とか、口頭弁論は書面で準備することを要しない(民事訴訟法276条)という規定等があります。
 

2008年11月21日 08:01 |

弁護士

弁護士は、基本的人権を擁護し、社会正義を実現することを使命とします。(弁護士法1条)。法律に関する職務全般を行う権限があり、弁護士の職域に制限はありません。
 
極めて代表的な例として、弁護士が刑事被告人の弁護をする場合や、損害賠償請求等の民事訴訟で代理人として法廷活動をすることがあげられます。
 
弁護士になるには、旧司法試験に受かるか、法科大学院を卒業後(新)司法試験に受からなければなりません。(旧司法試験はまもなく試験制度が廃止されます。)いずれにしても超難関の部類に属する国家試験です。
 
日本の弁護士のシンボルは、中央に天秤を配した向日葵(ひまわり)で、徽章(バッジ)もこのデザインです。

2008年11月17日 08:24 |

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