実例6(自己破産)

自己破産 女性Fさんの状況

40代女性。9社合計360万円の借金があった。パート社員として何とか頑張っていたようであるが、女性の収入では360万円の支払いは難しかった。借金の原因は、夫との家庭不和により、夫が家にお金を入れなくなったことにあったが、実際の所、夫の自営業収入が大幅に落ち込んでいることが大きな原因であった。また、3人の子の生活を維持するために家計にお金がかかることも相まって自転車操業となり、借金が膨らんでしまった。

自己破産 受任そして借金問題解決へ

<初回相談>

Fさんがはじめに事務所を訪れた時、何とか話をしているものの、「うわのそら」という状態であった。
他の事務所で相談を受けたが、「離婚しないと自己破産できないのではないか、と言われてしまった。」「業者から訴訟をされた。和解書がある。その後、その業者からの取立てが厳しい。」など様々な現状を聴取した。
そして「業者から電話が頻繁にかかってくるが、支払いができないので電話に出ることもできない。」と為す術のない現状を訴えられた。
すぐに受任し、業者からの取立てを止めるため受任通知を出した。

<定期面談:自己破産申立書類作成の共同作業>

業者からの督促が厳しかったせいか、電話での連絡に敏感になっていたようで、当事務所からのメールや電話での連絡がつかない時が多かった。
また、2回目の定期面談をFさんが一方的にキャンセルしたこともあり、数ヶ月間の定期面談はままならなかった。
しかしその後、次第に真剣に取り組んでいただけるようになった。

<法テラスでの審査>

Fさんの資力は充分ではなかったため、法テラスで援助審査の申込をした。無事に援助決定が出た。
事務所の手数料と実費は法テラスが出すことになるので、本人の費用負担はなかった。(後日、本人は、法テラスが立て替えた費用を、月額5,000円程度の分割で償還することになる。)

<申立手続>

申立手続を含め、A地裁には3回行った。(裁判所の実務運用により異なる)

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申立のためA地裁破産係へ:陳述書に詳しく説明を入れていたが、クレジット会社の利用明細書について、少額の明細についても「何を購入したか?」につき細かく聴取された。

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破産審尋:破産審尋の際、裁判官から「陳述書に書かれていることは本当ですか?」「今後旦那との関係はどうしますか?」「今後の収入はどうしますか?」など尋ねられた。 特に問題なく終った。

icon 免責審尋:問題なく免責許可決定。

<その後の生活>

パート職員として夜勤の仕事に積極的に取り組んでいる。収入は大幅に上昇した。

<事務所からのコメント>

最初に事務所に来られた際、非常に不安定な精神状態だった印象があります。そしてお話をしていても「うわのそら」という感じで、何とか会話していたような印象があります。
それだけ、長い間、業者からの督促や、家庭の不和などで大変な思いをされていたのでしょう。
受託当初、一時期連絡がつかないことがありました。そして、手続きやお約束を守っていただけない時もありました。あまりに時間にルーズな時もあったので、私も勇気を振り絞り一度だけ怒ってしまった時もありましたが、次第に「何とかしよう。」という姿勢に変わってくださいました。
その姿勢に刺激されて、私も最後までしっかりお付き合いさせていただきました。

 

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