法定後見の就任後の仕事2

前回「法定後見の就任後の仕事1」では、金融機関をまわって事務的な手続をする仕事までを紹介しました。その続きを書きます。
事務手続が終わり、財産の把握ができたら、財産目録を作成して家庭裁判所に提出します。この財産目録の提出で「就任時にこれだけ財産があります。ここから管理をスタートします。」ということを家庭裁判所に報告することになります。財産目録は家庭裁判所が決めた期日までに提出する必要があります。我々のような職業後見人であれば提出日は厳守です。
これが終わると本格的な後見業務が始まります。まずは、本人及び病院(施設)関係者に会いにいくことになります。
そして今日、多摩地域の、とある山の上の病院に行き、はじめて被後見人本人と面会をさせていただきました。この病院は比較的精神科が有名な病院と思われます。
本人は照れ屋なのでしょうか、私が話しかけてもひたすら目をそらしていました。私が質問すると「はい」の場合は頷くだけで、「いいえ」の場合はかぶりをふるだけでした。しかし、帰る時に「また来るから待っててね!」と手を振ったところ、手を振り返してくれました。精神疾患のある人でも分かることははっきり分かるのには感心しました。
なお、今まで本人の財産を事実上管理していた親族の個人的な事情により、本人の医療費が相当額滞納になってしまっています。病院関係者と支払方法を協議しました。
仕事が終わり、病院を出ると、うぐいすがしきりに鳴いていました。きれいな声に聞き入りながら帰路につきました。
 

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