相続登記をちゃんとやっておかないと・・・。

先日、東京司法書士会で登記相談員として相談を受けた時の話です。
土地の名義が相談者の祖父のままになっている。その土地の上に実父の名義の建物がある。実母がその建物に住んでいる。この度、実父が亡くなったところ、途端に実父の兄弟姉妹が実母の家に押し掛け「土地は祖父の名義なので、実母が住んでいるのはおかしい。」と言ってきて困っているという相談を受けました。
実父の兄弟同士で話し合いがつかなかったのかも知れませんが、実父が実父名義に相続登記をしておけば後々何らの問題もなかったと思われます。相続人同士で揉めているのであれば若干費用がかかるのは致し方ないにしても弁護士代理による調停手続等で解決だけは目指してもらいたかったというのが本音でした。
これから相続登記をするといっても祖父から3代という年月が経っているので、相続人が大量に認定されることが予想されます。相談者の方が登記名義を取得するには、遺産分割協議書に、その相続人全員の印鑑証明書付き署名押印をもらうことが必要ですが、実務上は極めて難しいと考えられます。こうなってしまうと何とも解決策を提示できない状況です。
このように、不動産の登記名義をそのままにしておくと、残された相続人の皆さん達が苦しむことになるケースがあります。
すでに相続人の間で揉めているのであれば簡単にいかないのですが、不動産の登記名義人の方が亡くなった際、可能で有れば相続登記は必ずきちんとやっておいてください。あのときやっておけばと後から気づいた時には今の状況が変わっていて相続登記ができなくなってしまった、では取り返しがつかない場合があります。
 

PAGETOP