会社の末期状態1

私は、今は司法書士という自由業をやれていますが、昔は会社員として勤務していた時期が12年程度もありました。最後に勤務していた会社は給料遅配になってしまい、人生ではじめてのたいへんな「辛酸」をなめました。
一般的に、会社員は、意識として「毎日会社に行っていれば給料はもらえる。」という安心感があると思います。いわば時間を切り売りしているだけで生活できるという甘えた考えが正直あると思います。私も当時そういう1人でした。そんな感覚で学卒後、会社員を続けていましたが、「毎日働いても働いても、会社に行っても行っても、給料が出ない」という体験をはじめて味わいました。
これは非常に辛かったのを覚えています。働いてもお金をもらえない、でも会社をサボることはできない、給料の出ない会社に行っても意味がない、行きたくない、だけど会社に籍を置く以上、安易に職場を放棄することはできない・・・。どうしよう、行きたくないけど今日も行かなくてはならない。
働いても対価をもらえないので、どうしても仕事は雑になってきます。そのうち自分のやっている仕事が本当に嫌になってしまいます。実際の所、私も、担当していた大きな仕事を全部潰すことになってしまいました。
勤めていても対価が出ないので、生活ができなくなり、周りの従業員はみんな辞めていきます。物事みんな音を立てて崩れていきます。寂しいものです。
こういう状況になった時には、たいてい会社の内情はというと、「社長は全然経営をしない、何もしない、どこに行っているか分からない、会社に来ない、経理部長が社長の代わりに資金繰りに走っていて、経理部長も会社にいない、会社の経費を節減することだけが会社の命令になる、会社の業務自体間違い手違いばかりになる、業務のクレームや返品ばかりが目立つ、会社内が汚く誰も掃除しようともしない・・・。」
つまり業績も最低になっています。こうなると経営者のせいで従業員のモチベーションはゼロになってしまっていますので、いくら今までの経営者が「また頑張ろう。」と再スタートを切っても従業員はついてきません。だったら経営者を入れ替えれば会社は変わるじゃないかと考えられますが、それも駄目です。従業員は今までの経営者の考え方が染みついていますので、肝心の働き手が再起不能であるので会社は変わりません。
どちらにしても、一度死んでしまった会社を立て直すのは大変なことです。経営者も従業員も全部入れ替えて「既存の価値観」をすべて壊すことが再生への第一歩になると思います。
勤務する会社で「給料が遅配になった」ら、その会社はよっぽどな改革をしない限り再生はできません。私は従業員の皆様に言いたいです。「既存の会社で頑張り続けることも選択肢ですが、一度傾いた会社が蘇るには、経営者はもちろんのこと、あなた自身も全従業員も全く意識が変わらない限り蘇りません。中小企業であればなおさらです。そうであれば、そんな経営者のもとに勤務しなくてはならないと自らを拘束するのはやめ、あなた自身、そんなクソ経営者のもとを飛び出て新しい社会に身を委ねるほうが、人生の新たな可能性が開かれるかもしれません。どうかその会社だけに身を置かなくてはならないという狭い考えは持ち続けないほうが良いと思います。能力や実力があると見込まれる人は飛び出した方が人生好転する可能性が高いと思います。ただし、今は不景気で就職もままならないので、単に将来を楽観視した安易な退職等はしないようにしてください。」
 

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