滞納入院費

本人が知的障害者で、今まで親族が本人の入院している病院に入院費を支払っていた場合、その親族自身が病気や認知症になってしまうと、本人の入院費を支払うことができなくなります。入院費だけではなく税金、保険料、各種の支払が一切滞ってしまいます。
しかも、病院に入院しつづけるための諸手続、国民健康保険の限度額認定の手続、年金の現況届の提出等々、すべてが滞ってしまいます。
上記のように、親族が本人の面倒を見られなくなってしまう場合に後見人を付ける場合があります。
入院費は滞納してしまうと大変です。病院という所は人を救う所であり商売的な要素がないため、暫くは「金を払え。」と言ってきません。しかし入院費を滞納している患者やその後見人に対しては当然良いようには思っていません。病院によっても違うと思いますが、対応がそれとなく雑で、丁寧さ、誠実さを感じることができません。今まで私の着任してきた被後見人の中にも、入院費が滞納された状態で着任したケースがありました。はじめて病院を訪問した際に後見人の私自身、病院から上記のような態度を受け、嫌な思いをしてきました。病院関係者の間では、入院費を滞納している患者関係者として認識されているのでしょう。無言であるものの「なんで入院費を払わないんだ」という目で見られているように感じました。
今担当している方の1人も滞納入院費が百万円以上ある状態で着任しました。
ここまで滞納してしまうとちょっと困ります。心の中では「それにしてもよくもまあ、こんな状態にしたよ。ここまでになる前に何とかできなかったのかよ。」と呆れてしまいます。しかし親族の方の一身上の都合もあり、仕方ない場合も多いと思います。
滞納額が大きい場合、一度に支払うことをしてしまうと本人の預貯金を大部分なくしてしまいます。そうなると不測の事態に対応できなくなるので、分割で支払いをする方向で病院担当者と交渉します。
対応くださる病院の態度は区々ですが、良い病院、しかも良い担当者にあたると、入院費の事だけではなく、本人の事情を色々配慮してくれますので仕事が非常にやりやすくなります。こういう病院もあります。世の中捨てたものではないですね。
 

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