奨学金の返済滞納で訴訟急増

奨学金滞納者が増加し、民事訴訟を打たれている件数が増加しているようです。読売新聞で取り上げられていました。
民事訴訟の手続として、具体的には、支払督促の申立をするようです。この支払督促とは、金銭を貸したことがはっきりしていて貸し借りの争いの余地が殆どない場合、裁判所で審理することなく、いきなり「支払え」という督促がなされる手続です。督促を受けた債務者は、「お金なんか借りていません。」という異議を出さないでそのままにしておくと「債務名義」を取られてしまいます。この「債務名義」を取られると、督促を申し立てた債権者の勝ちになってしまいます。
奨学金の貸借については書類もしっかり作成されている上、連帯保証人も立てているのが通常なので、借りた人が「そんな金は借りた覚えはない。」としらばっくれることは不可能に近いと思います。この支払督促の申立がなされると、よっぽどな事情がない限り反論はできないでしょう。
貸し借りした事実が明白である以上、支払督促に対し異議を申し立てて争うことは難しく、手続は債権者の勝ちとして終わってしまう流れがほとんどだと思います。
借りた金を返さない。特に奨学金で学校を卒業できたのに。奨学金で学校を卒業できたお陰で今の会社に就職できたのに・・・。諸般の事情があるとは思いますが、こういう人が奨学金を滞納しているのであれば、あまりにもモラルが低いと思います。
日本は経済的な低迷期に入っており、経済力は中国に追い抜かれてしまったとか何とか言われています。
債務整理の相談をしていて私が感じていることは、日本は現在、確実に経済衰退期にあり、国全体が少しずつ貧困傾向にあることです。かつての好況な社会環境はすでに「今は昔」のことです。古き良き時代はバブルがはじけると同時に終わってしまいました。
年金不正受給問題を含め、日本人のモラル低下がますます顕著になるのでしょうか。
 

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