着金確認

本年は、当事務所において、後見、後見監督案件で不動産を売却することが多い年です。

後見人であれば、単独で売却を進め、後見監督案件では、後見人と一緒に不動産売却手続を進めます。遺産分割と同様、後見業務の主要な課題といえるものでしょう。

不動産業者さんに売却依頼を行い、買手が決まったら、契約、決済と進んでいきます。

居住用不動産であれば、処分許可の審判申立をします。

決済の当日、後見監督案件であれば、後見人に「あとは決済に行っていただき、不動産の登記が完了したら、売買代金の入金通帳とともに当事務所に報告をください。」と伝え、監督人は何もせず、その後の報告を待っているだけという対応も可とも思いますが、私としては、不動産業者さんに売却をお願いする段階から、契約、決済、全ての事務的支援を、全て後見人と一緒に行っています。

勉強になるのが、決済の場でのやり取りです。いつもは司法書士として、決済を取り仕切る形で、必要書類の受領、書類への署名押印、手続に関する説明をしますが、後見監督人の立場で決済の場に臨むので、売主の関係者として、別な視点で決済を眺めることが出来ます。これはこれで新鮮な気分です。

決済を行う司法書士として、気にしているのは売主の着金確認です。最近は、司法書士の職業倫理上、着金確認の必要が当然のようになってきています。

先日の決済では、登記申請を担当する司法書士に、私から、「着金確認をしたいのですが。」とお願いしたところ、困ったような顔をしていました。
早く登記申請をしたいという気持ちも分からなくもないし、事務所の考えもあるのでやむを得ないことなのでしょう。

何となく嫌な気持ちになっていた所、助け船を出してくれたのは、双方の仲介業者と買主の方でした。また、こちらの仲介業者さんにも事前に着金確認をしたい旨伝えていたところ、尊重くださったこともあり、無事、安全に取引を終わらせることができました。同職以外の関係者皆様が、手続の後押しをしてくださいました。

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