別の配慮

会社の登記で、最後の登記をした時から何も登記をせず、12年経過すると、法務局から「登記がなされていません。解散となります。」との通知書が来ます。

なお、この通知書には、一緒に送付された届出書を返信すれば解散を一時的に防ぐことができるものの、登記をしないと翌年に解散とみなされる危険が残っている、というニュアンスの内容が書いてあります。

「自らの会社がすべき登記は自らで管理し、自発的に登記申請を行なわなくてはならない。」という商業登記の申請主義が原則となっているので、自らの登記懈怠(登記申請を怠ったこと)は自らの責任であるという考えで実務は動いているのでしょう。いわば、この通知内容は「登記申請が一定期間なされていませんね。期間を徒過しているので届出をするか登記を申請するかしてください。」とお知らせをしてくれているというものです。

さて、社会の一般的な感覚からは「どうせ通知をしてくれるのであるならば、今回のお知らせが来る数年前に、まもなく必要な登記をすべきです、と通知をくれれば登記懈怠をしないで済むのだから、そのような別の配慮をしてくれればいいのに。」という考え方もできます。
しかし、法律が申請主義をとり、期間を徒過したらその時点で会社にお知らせを出すという建て付けになっているので、これはやむを得ないとも思われます。

いずれにしても、会社経営者と経営関係者の方は、10年以上役員変更登記も何もせず会社の登記を放置しておくと登記上解散させられてしまう危険がある、という知識は持っておくべきでしょう。

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