相続登記の形態

相続登記には主に、「法定相続(持分)による相続登記」と「遺産分割協議による相続登記」があります。
「法定相続(持分)による相続登記」とは、法律上の相続人全員の名義によりそれぞれ法定相続持分でなされる登記です。
例えば被相続人(亡くなった人)に配偶者(妻)と子2人がいる場合、配偶者の持分は4分の2、子の持分はそれぞれ4分の1になりますので、妻は4分の2、子はそれぞれ4分の1による法定相続持分により登記することができます。
この「法定相続(持分)による相続登記」をすると、不動産が共同所有の状態で登記されることになります。
 
これに対し、「遺産分割協議による相続登記」とは、相続人のうち特定の者だけの名義にする相続登記です。巷ではよく、「お父さんが亡くなった。お父さん名義の土地や建物は、全部兄さん名義にしておきました。」などという話を聞きます。他の相続人は除き、お兄さんだけの名義にする登記が「遺産分割による相続登記」というものです。
この登記により、代々家に伝わる財産を単独所有として遺すことができますので、財産の散逸を防ぐことができます。
 
家の財産を長男に承継させる等の風習が根強い日本では、やはり、実務上「遺産分割協議による相続登記」が多いと思われます。この「遺産分割協議による相続登記」をする時の最大のポイントは、「法定相続人全員が遺産分割協議内容に合意しなくてはならない!」ことです。相続人全員が協議内容に賛成しなくてはなりません。そのため、相続人の1人を抜いてしまった、1人が協議に参加してくれない、といった場合、遺産分割協議は成立しません。その場合は、遺産分割による相続登記はできないこととなります。ここは十分注意すべき点です。

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