「小規模個人再生」

昨日、東京司法書士会で「個人再生」に関する研修がありました。主に個人再生の申立方法についての研修でした。
債務を整理するためのメニューとしては、ご存じの通り、任意整理、自己破産があります。任意整理は債務を分割して返済していく解決方法です。自己破産は裁判所に申し立てて負債をすべて免除してもらう解決方法です。
これ以外に、個人再生というメニューがあります。これは、債務の一部をカットし、残りの債務を分割して支払っていく解決方法です。
私の事務所の債務整理案件では、個人再生を選択したことはあまりありませんでした。というのも、任意整理つまり分割返済で解決できないのであれば、通常、残債務を支払っていける程の余裕のある人があまりいないのが現状だったからです。負債を一部カットしても負債が残る解決方法よりも、自己破産ということで負債を全部なくすということが本人にとって真の意味での生活改善につながると考えるからです。一部をカットしても本人が将来支払える保証はありません。本人が病気をするかもしれません。失業してしまうかもしれません。
そんな理由で、任意整理が出来ない時は、積極的に自己破産を選択してきました。
しかし、「どうしても自己破産はしたくない」という事情のある人もいます。そのような時に要件をよく検討した上「個人再生」の選択を考えます。
メリットとしては、大幅に元本をカットできることにあります。特に負債が大きい方はカット幅も大きくなるといえます。
デメリットとしては、申立から分割返済をはじめるまでに半年程度の長期間の時間を要することや、分割弁済期間が原則3年であることから、すべて解決するまで非常に時間がかかることがあげられます。
受託後、支払を開始するまで1年以上かかってしまうケースも多く、利益追求ではなく依頼者の生活再建にじっくり向き合わなくてはならないので、我々司法書士としても仕事の手離れが遅くなることは否めない事実です。
 

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