実例1(自己破産)

自己破産 女性Aさんの状況

30代女性。派遣社員。
靴や服装などのファッションや化粧に気を遣う今時の女性。
日常生活は友人との交流も多く、外食などの交際費も多かった。
 
数社のクレジットカードを使っているうちに、返済が追いつかなくなってきたことに気づいた時には、クレジットカード会社からの取立が日増しに激しさを増してきていた。
ファックスで取立の連絡が来るようになっていた。
 
給料で債務を返済することはできなくなっていた。
月給19万円のうち8万円も返済しなくてはならない。
派遣社員なので給料も低かったが、お金を少々派手に使っていたため、返済しても再度借り入れるといった自転車操業を繰り返した。
 
「返済ができない。もう自分では解決できない・・・。」当職に相談した。

自己破産 受任そして借金問題解決へ

<相談当初>
当職が相談した時には、本人は返済や取立に参っており、精神疾患を患い通院していた。派遣会社の仕事も一時中断せざるを得ない状況だった。
まずはクレジット会社に介入通知を出し、取立をストップさせた。すると次第に本人は精神的に安定してきた様子だった。
 
さて、クレジット会社と銀行系貸付会社に取引履歴を開示させたが、利息制限法の制限利率内の利率だったため、引き直し計算による減額もできず、残債務は300万円近くのまま。
本人は「仕事に復帰できたら返済をすることができるので、できれば破産はしたくない。」と言っていた。
しかし、本人は現在無職で仕事に復帰するめども立たず、月々借金を返済することは到底できない。
そのため自己破産申立の方針を選択した。
 
<方針説明>
当職から本人へアドバイスとして
「残念ながら、収入もないのにこのまま月8万円の返済をすることは難しいです。ましてや今は精神的に疲れているので、いつ仕事に復帰できるかわかりません。ここは借金をチャラにして人生をリスタートするため、自己破産を選択しましょう。」
本人はずいぶん悩んだ末、自己破産することを決断した。
 
<申立手続き終了>
 手続きのため、地方裁判所に3回行く必要がある。はじめは申立である。申立の際に本人と地裁で待ち合わせしたとき、本人は古い地味な洋服を着てきた。終始無言で、うつむいていた。元気がなかった。
 
しかし、その1ヶ月後の破産審尋では普通の顔つきになってきた。さらに最後の手続きである免責審尋では、着るものも小綺麗になり顔つきも良くなっていた。
 
本人は挨拶がちゃんとできない人であった。ただ、多重債務に陥る人は、日々返済という悩みや重圧に押しつぶされているので、こうなってしまう人も多く、やむを得ないことだと思う。
 
しかし、手続きが終わった後、そんな彼女から「ありがとうございました。」と言われた。さらに免責審尋が終わった日に当職が「今後は給料の範囲内で生活してください。」と言ったところ、「分かりました。気をつけます。」と言い、帰り際も「ありがとうございました。」と感謝の意を表していた。本来の彼女の姿だったのかもしれない。
 
現在、派遣社員の仕事に復帰して、平穏な生活を送っている。もちろん借入に頼る生活はしていない。
 

PAGETOP