実例2(自己破産)

自己破産 男性Bさんの状況

30代後半男性Aさん。職業は病院関係のアルバイト社員。月収8万円程度。親と同居。消費者金融とクレジット系信販会社他、合計5社からの借入債務あり。負債総額は160万円程度。
「一方の業者から借り入れて、他方の業者に返済し・・・。」これを繰り返して何とか返済をしてきたが、改正貸金業法の総量規制の影響で、消費者金融業者A社からの借入ができなくなり、資金の自転車操業ができなくなってきた。
「これ以上、借入と返済の自転車操業をしつづけることはできない。債務整理をするためホームページで八王子の小林司法書士事務所を探し、電話のうえ面談をお願いした。」

自己破産 受任そして借金問題解決へ

<面談相談で>

負債総額ざっと160万円程度。
Aさんの月収は8万円程度。月4万円程度の返済がやっとであり、3年(36回)で返済できるかできないか微妙な所であった。収入が伸びない状況で将来3年程度継続して収入の約半分を返済に充てることは難しいと思われる。今後、急にお金が必要な事情があるかもしれない。急に病気でお金がかかるかもしれない・・・。任意整理ではなく自己破産による方針決定をした。

<定期面談:自己破産申立書類作成の共同作業>

Aさんには、債務を整理して何とか生活を改善しようというほのかなやる気を感じとることが出来た上、何よりも書類作成等、こちらの指示に忠実であり、当職は「どうしてこの人が多重債務者になるのか?」と悩む程であった。
振り返って考えてみると「多分に今までAさんの生活については、身近にペースメーカー的な人物がいなかったのだろう」という所感を持っている。大枠の流れは以下の通りであった。

icon 当初、A社からの借入金は利息制限法の制限利率への引直計算をすると借入額が縮まる期待をしていたが、実際に引直計算をしてみるとあまり縮まらず、もちろん過払金は生じなかった。残念であるが負債総額は160万円程度で確定した。
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icon 当職は面談において「将来的に負債を全くゼロにして、新しい仕事に就き人生をやり直したらいかがでしょうか?」 → つまり「自己破産」を提案した。
面談で「仕事ももう少し条件の良い仕事(定職)を探してみてはいかがでしょうか?」とアドバイスを続けていた。
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icon Aさんは「自己破産」についてよく勉強し、当職との面談の都度「自己破産」について数々の質問をして理解を深めた。
同時に就職活動をしっかりやりはじめていた。しかし昨今の就職難から面談に漕ぎ着けるのも難しい有様で、就活は困難を極めた。
当職はAさんに「就職は活動をやり続けなければ決まりません。就職は縁です。とにかく就活をやり続けて!」とアドバイスをし続けた。
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icon 「自己破産」の申立のため当職と一緒に作業を進めた。給料明細書、住民票他、必要な書類をきっちり揃えたので3ヶ月で申立書類が完成した。
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icon 自己破産申立の間際に、アルバイトではあるがAさんの「就職」が決まった。かなり収入が上がる仕事に移ることができた。

 

<申立手続>

申立手続は地方裁判所に3回行った。(裁判所の実務運用により異なる)

icon 申立のためA地裁破産係へ:特に問題はなかった
 
icon 破産審尋
裁判官と面談。負債額、はじめて借入をはじめた時、なぜ定職に就かなかったのか等について質問された。
裁判官はAさんに「生活に対する考えが甘いのではないですか?」等と厳しい尋問をしたものの優しい対応もした。同時廃止決定をもらうことができた。
 
icon 免責審尋
裁判官から家計についての質問。Aさんが裁判官に「仕事も決まったのでこれからは徐々に家計はプラスになっていくと思います。」
免責許可決定が確定。無事にすべて手続が終わる。

<その後の生活>

月額のアルバイト料が前職給料の倍近くになり生活は安定している。もともと収入がないために倹約せざるを得ない人だっただけに、自己破産後も浪費することはなく、部屋を借り一人暮らしが出来る程になった。
今まで負債のため毎日「次の返済はどうしようか?」と悩む日々を送っていたが、もうそういう問題は全くない。精神的にも安定した日々を送っている。
 

<事務所からのコメント>

多重債務に陥っているAさんのように人生を変える勇気があれば生活は好転します。人は自分の環境を変えることには抵抗があるものです。
「今の債務を自分でコツコツ支払えばいつかは終わる。今まで通りの日常生活や仕事を地道に続けていれば報われる。何とかなる。」とお考えでしょうか。その考えは甘くないですか?収入が伸びるめどもなく現在の給料ではどうみても返済できないようなお金を払いつづけるというのは非常に大変なことです。いつまでたっても問題解決が困難になってしまいます。意識を変えたほうが良い場合もあります。

 

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