数年前に自分が書いた

遺言の原案がありました。
その時、依頼人は「遺言をしっかり書きたい」という強い要望をお持ちでした。お知り合いからの紹介ということもあり、普段あまりやらない仕事でもありましたが、お引き受けさせていただきました。
遺言の原案といっても、どうしたいかの聞き取りに時間がかかります。また、お話しを聞き取っている最中に、依頼人のお考えが変わる時や、どうしたら良いか分からなくなってしまう時もあります。
数日かけ、その仕事が終わった後、夕焼けを浴びた病室のロビーで、「達者でね。」とお声を掛けてくださったのをいつまでも覚えています。
ずいぶん前に完成したその遺言でしたが、今般、その、自分で起案した遺言にて遺贈の登記申請をさせていただきました。
依頼人の当初の意思通り、無事に不動産の登記が完了しました。多分、依頼人が生きていたら、私に「ありがとね。」とでも言ってくださっていると思います。

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